歌声
ひだかたけし
あゝ私の記憶と云う、
奥深き畝溝から飛び立つ
銀の鱗粉の輝き羽ばたき
密やか途絶えることなく
燃え盛る意識の原野に
色付く豊潤な響きの渦 、
ビートを刻み垂直の流出の
次第輪郭を形造る神々の
幾何学を為しながら
混沌を巧みに制御し
突出スル喉頭から 、
絞り出される音声の
林立スル光の森陰を次々縫い走り
光帯の奥の億から伸び広がり来て歌い出す
ちょっとした些細な拘りの数々を
手放しさえすれば、時として
終わりは来なくなる
終わりは溶解して
炎燃え立つ魂の意識の持続に
流れる叡智と成り生き続ける