有刺鉄線

小さな敷地に境界線を作成しました
そこに私というものを置き
外側から来るものを
刺のある鉄線で追い返す
または深く傷つけるのです

また私が外で息抜きをしようとすれば
肌を刺が引き裂くでしょう
ひとりぼっちでいることの
安心と寂しさは
酸素ボンベが埋めるのです

作り出してみましょう
ひとりきりの理想郷
誰にも頼らない勇気

しかしひとりひとりと声を大きくするほどに
誰かを呼んでしまうジレンマ
結果として罠となるようです

今日も境界線が揺れ
刺に皮膚片や血が付着しました


自由詩 有刺鉄線 Copyright  2024-10-25 18:41:14
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