寂寥
そらの珊瑚

あたたかい紅茶のなかで
みのむしが
みのを手放しておよいでいくのを
追いかけることもせずに
ながめていた
満月の映る淵で
きみは大人になることだろう

何者かになりたかった

何かにはなったのだろう

およいで
およいで

たちおよぎで
ふりかえれば
みなもに
ほそくてたよりなげな
さざなみのわだちだけがある


自由詩 寂寥 Copyright そらの珊瑚 2024-10-23 11:09:54
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