虎猫
そらの珊瑚
夕陽に照らされて
猫が光を纏っている
「きれいな虎模様ね」
呼び止めた気まぐれな人間の女の顔を
じろり、と見つめる
その虎猫の瞳に刃が灯る
体つきはほっそりとしていて
子猫が少し大きくなったようだが
腹のあたりが膨らんでたわんでいた
産み月が訪れたら
ひっそりと
独りで命を産み落とし
母になったあなたの瞳は
ますます尊く
わたしを射貫くだろう
小さな虎よ
自由詩
虎猫
Copyright
そらの珊瑚
2024-10-21 10:36:25
縦