明日
田中教平/Kou
さくばんはお酒を飲まなかった
お酒を飲んでいるとか
お酒を飲んでいないとか、今
どーでもいいことを書いている気がする
やめてみればこんなもんだったよ
今日は母さんの車に乗って
精神病院に向かう
別段、消毒液の匂いもしない
あの陰気臭い病院へ向かう
先生は陽気なもんだ
先生へ出す手紙はもう書いてある
お酒や煙草、秋、といった
ココア色のものに
注意が向くことを僕は語ろう
そうして眠りが一番重要だ
眠れないからお酒を飲んでしまうんだった
さくばんの眠りは
僕に自信を持たせてくれた
朝から妻がなにやら叫んでいる
訊いたら
午前一時に叫びたくて
ずっと我慢していたんだって
ともかくその叫びで僕は起きた
朝六時
東の空が
すっかり明るんでいる