未熟さのバター焼き
トビラ
ただ静謐の中で、君にまた逢いたかった
にぎやかな夏を脱いで、その素肌を
少し無防備にさらされて
寒くなってきたね
そうだね、君の隣はずっと夏だけど
なにそれ、嫌味?
いや、賛辞
我らが夏の女王陛下万歳、っていう
そういう告白
君は私の何?
王子様になれなかったカエル
もう冬だから冬眠しないといけない
カエルは冬を越せないから
地中で眠らないといけない
君が誰かとチュッチュしてても
なんとなく暖かくなって
ゲコゲコ言うころには
君は僕のことはもう
わりとどうでもよくなって
知人の友達みたいな曖昧な何かになって
空気に融ける
セーブポイントにはなれそうにないや
だから、さ
約束をしよう
君に秘密の心の約束
僕はただ宇宙にずっと、
君への想いを投げつける
宇宙はたまったものじゃないね
でもまあ、宇宙は広いから
ちょっとくらい
そういう失恋スペースだって
あっていいと思う
だからこれは通学路に結んだ
呪いみたいなものだ
呪いって言ってもさ
君への好意だから
見つけても、嫌わないでね