鬼遣
医ヰ嶋蠱毒

狂酔し首刎ね
なべて禍人まがつびとなれば
濃霧と共に拡ぐ浄土へ
天敵を欲す我
黄金の華の瓣を喰らい
なお蜚蠊を忌む
斃されるべく
祟れよ捕食者の王
抜き放つ得物を月が視るゆえ
右眼を禊げば御子が産れる
其は天鵞絨の如き夜なり
歩くかばねと百鬼夜行と
皓い異人は生き血を嚥むらし
「斯様に殺し甲斐のある」
三十六人、歌仙を切伏せ
なべて禍人まがつびとなれば
路傍の犬子えのころさえ飴を贖うとて
化野を訪ない
天敵を祀る寝物語の
經津主󠄁神󠄀と相成る猩々


自由詩 鬼遣 Copyright 医ヰ嶋蠱毒 2024-10-14 20:09:44
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