途中下車の日々に
森田拓也


秋の蝶どこからか来てどこかへと

砂時計落ち切りて午後酔芙蓉すいふよう

蟬の殻この世の何にしがみつく

宿題の夜長消しゴム転がす子

得た夢と失った夢蟬の殻

始まれば終はりのありて冬隣り

薄紅葉きのふの色も想ひ出す

湯通しに部屋中香り山椒の実

鳥渡り風吹きわたる夢の中

落つる栗ニュートンのごと眺めゐて

光氏みつうぢは女ったらし式部の実




俳句 途中下車の日々に Copyright 森田拓也 2024-10-13 05:15:31
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