漂うアロマ

君は生臭いと顔を顰めた

初めてだからか

まな板に
グリルに

君の理想から離れている分だけ

動作が荒々しくなり大音量を響かせる

僕は緊張の糸が唇に絡まって

手伝おうかの言葉が出てこない

グリルの中は炎上

僕は堪らず大きな声で美味しそうな匂い!と叫んだ

君の手つきが柔らかくなる

焼けた秋刀魚の登場


自由詩 漂うアロマ Copyright  2024-10-12 18:43:26
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