悪いオジサン
atsuchan69
荒縄で首を吊るされて、
いつでも蹴とばせる踏み台に立っている
渇いた唇には砂粒がひっついて、
処刑を見るために大勢の人だかりだ
この町を仕切る保安官に
貴様が法律ではない! と怒鳴った
いや、それだけじゃない
手下にも、腰巾着どもが! と叫んだ
町中が保安官の味方だった
酒場の
主
(
あるじ
)
も、女たちも、棺桶屋もだ
だから俺様は、この街では悪人だ
身なりの良い子供がひとり、
さっきから俺をじっと見つめていた
そして笑い、踏み台を蹴とばした
自由詩
悪いオジサン
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atsuchan69
2024-10-12 05:16:53
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