ハハキトク
レタス

Tとは小学生の頃からの付き合いだ
遊びに行くとTのお母さんが出迎え
関西弁で他愛もない話しをした
いつも1時間程
その洗礼を受けなければならなかったのだ

玄関の水槽には金魚が揺れて
猫のポン太がぼくの足元に絡み付く
Tは何時も昼寝をしているか
漫画雑誌を読んでいるのか
なかなか階下に降りてこなかった

去年病院を訪ねたところ
92歳になるお母さんは随分と痩せて小さくなっていた
ぼくの事も切れ切れにしか覚えていなかった

礼服をクリーニングに出そうとした予感
昨夜TからLINEが入った
ハハキトク…


自由詩 ハハキトク Copyright レタス 2024-10-07 06:52:23
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