ミスドと工場
番田
街でミスドを買って、いつも、ドトールで食べる僕。選ぶのは、崩れないようなドーナツだった。だから、オールドファッションのようなドーナツは買わなかった。開けたときには、それは粉くずのような姿になっていることがほとんどだったからだ。昔は、大きなマフィンがあって、良く食べていたことを覚えている、今は、なくなったようだけれど。中華まんだってあった。もらえるグッズもいろいろあって、誰かが持っていて、楽しかったけれど。もう、無駄なことはやらないという姿勢を感じさせられる店内の雰囲気。当時はコーヒーも飲み放題だった。だから、腹を壊すまで、飲んでいた。ドトールを出ると、街はもう、暗かった。夜になると、涼しい。僕の温かさに焦がれるような季節がやってくる。秋は短くなったという話をよく聞く。コロナウイルスが蔓延してから随分と悲観的な話題が増えたが、その、一つだ。駐輪場に置いていた自転車にまたがって、今日も、帰る。僕の今日の収穫は、初めてコーヒーに入れたオーガニックシュガーの甘さ。でも、昔は入れていた気がする。虫歯が増えてから、やめたのかもしれない。
工場が近くにあるので、平日の夜は外国人とよくすれ違った。しかし休日はその姿はなかった。言語は英語ではなく、タガログ語でもなく、彼らはどこかの国の言葉を話していたが、僕は、全く聞き取れなかった。ここは日本だから、日本語で話すことは正しいということは間違っていない主張だとは思う。フランスやベトナムでは一切英語が使われないように。しかし外国人にとって日本語や中国語は習得は難しいようだった。そしてなぜこのような言語ができたのかを考えることは無駄な解釈ではある。休日の街はあれほどいた外国人の姿は見当たらなくなっていた。彼らも好きで来ているわけではないのだろう。ただ、飛行機に乗って半日もすれば、別の世界に降り立つことができる。別の言語や法律の、食べ物や文化の違う、この世界に。