わたしはどこにも席がない
涙(ルイ)


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幸福な話も不幸な話も 云い過ぎると自慢に聞こえるものらしい

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自分らしく生きればいいと 人はよく口にする 
自分らしさってなんだろうね 
世の中の人はちゃんと自分で自分が解るのかな

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喜怒哀楽だけでは表せられない感情が 
ニンゲンには存在している

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からい、という味覚はないらしい 
からいものを食べてからいと感じているのは 
実は痛いという感覚らしい 
なぜ辛いという漢字がツライとも読むのか 
解ったような気がした

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誰に届けたくてわたしは描いてるの 
顔も知らない赤の他人に向けて 
いま画面に向かっているそこのあなたに向かって 
一番届けたかったのは他の誰でもなく 
わたし自身にだったはずなのに

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お誂え向きなコトバなんて吐けない 
綺麗に包装されてリボンまでつけられた
お行儀のいいコトバなんてもっと吐けない 
わたしのコトバは 
どこを突っついたって 生々しいくらい真っ赤な 
真っ赤な血が滴り落ちてくる

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額縁に飾られて ただ眺めて鑑賞するだけのコトバなんか 
クソつまんないったらなくってよ 
あら ごめんあそばせ 
わたくし生憎お上品に出来ておりませぬ故

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なんかよー 緑色のワンピース着た黒い帽子被った女が 
さっきからブツブツと訳分からんことずっとほざいてるぜ

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かくれんぼで云う 
もういいよ には
ふたつの意味があるんです 
ひとつはわたしを探して見つけに来てっていうのともうひとつ 
わかったよもう関わらないよ
最初から邪魔だったんだねさようなら 
って云う

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シーソーってのは 互いの信頼がなければできない遊び 
もしも自分が上にいるとき相手が退いてしまったら 
疑えば疑うほどに恐ろしい遊び

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泥団子だって 磨き続ければピカピカになるのにね

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死んだらみんな土に還るなんて あんなの嘘っぱち 
金のあるものはご立派な墓石の下に 
金も身内もないものは 
どこの誰とも知らない骨と一緒くた 
安らかな眠りにつくさえ 容易ではない模様

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じっと手を見つめなくても 
我が暮らし 我が心は
ちっともラクになんかなりやしない 
解けない問題ばかりが 次から次へ 
後を絶たないばっかりに

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八方塞がりってコトバの意味を しみじみと実感する今日この頃

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どいつもこいつも 
自分が困ったときだけわたしに近寄ってくる

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数か月前に 今日死ぬからって連絡してきたコは
ただ単にわたしからお金を引っ張ろうとしていただけだった 
その後何の音沙汰もないと思っていたら 
頼み事があるとLINE 
その前になんかひと言ないのかよって 
思うわたしの方がおかしいのかな

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多数決は少数派の意見を無視するし 
多勢に無勢 
そりゃ多い方についた方が得さ 
その方が傷つかないで済むからね 
どっちが正しくてどっちが間違いかなんてどうでもよくて
大勢いる方が結果的には正しいってことになってしまうんだから

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ここから入っちゃダメだからねって 
ある日突然線を引かれる 
子どものときだけかと思ったら大間違い 
大人だって社会だって 平気で引くんだから 
ここから入ってくんなって線

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追い詰められたとき ニンゲンって本性が出るよね

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コトバだけをただ 鵜呑みにするな 
コトバの奥 
コトバの裏っかわに潜んでいる 
そいつの心を突き止めろ

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はいはい そうですその通り 
ぜんぶ私が悪いんですよ 
で話を終わらそうとする人は 
ぜんぜん自分が悪いなんて思っちゃいない

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いまさら昔のこと ごちゃごちゃ云うなだってさ 
あなたがわたしにいつも投げつけてるあれこそ 
昔のことではないんですかね

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ボタンの掛け違いくらいなら ちゃんと直せば済む話 
そういう問題じゃないってこと 
もうそろそろ気づいてほしいものだよ

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躰をバラバラに引き千切られたみたい

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あ~あ またこれか

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どこに行っても邪魔者で
のけ者でしかないわたしです

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同じことを他の誰かがやっても 大して咎められもしないのに 
わたしがやると 何故か決まって 
ひどく責められる 
ふしぎなことに

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ひとをイラつかせてしまうのが 
何故だかいつも怒らせてしまうのが 
わたしの得意分野

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空気中に漂う塵や埃だって 
少しはなにかの役に立っているだろうに

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トカゲの尻尾切りって言葉知ってるかい 
その切られる尻尾の役割をいつもしているのがわたしよ

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苦しいのはツライのは死にたいのは
あなたひとりじゃないって云われて 
それで? だから? 
一体なにを思えって云うの

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多様性の次はルッキズムですか 
なんかやたらと騒がしいですけど 
外見重視なんていまに始まったことでもないでしょうに 

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恋をすると春が来たというが 
恋を季節に喩えるならば やがては冬が訪れるのだろう 
移ろいゆく季節と 烈しく熱して冷めゆく想い 
逃れようもない 
誰も彼も 
あんたもわたしも

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花はいつ見ても可憐で綺麗で愛らしい 
だけどそれだって 子孫を残すためにあんなふうな姿になったのだと聞く 
生き物はみな本能的に
可愛いとか美人とかカッコいいとか愛嬌があるとか
そういうものを選ぶように
遺伝子によってあらかじめ組み込まれているらしい
だからそうじゃないものたちは
自ずと弾かれてしまう 悲しいことに

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くだらねえとつぶやいた 
ホントだね〜くだらないねえと 
鏡の中のわたしが嗤った

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生きる意味とか理由とかさ 
なんの役にも立たないってわかっているけど 
いまはどうしても 
その生きる意味とかいうヤツが 
生きる理由とかいうヤツがいるんだ  
なんでもいい
とにかくいますぐに

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いい加減 被害者ぶるのはやめろ

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孤独と淋しさは 似て非なるものです 
孤独とはひとりである状態のこと 
淋しさとはたとえ誰かと一緒でも生まれてしまう感情のこと 
淋しさを別の名で 人恋しさと呼ぶのです

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忘れないでねって言葉は 
ある意味脅迫めいていて 
相手に負担を与えるものだと思います 
忘れないよ 
くらいがちょうどいいのかもしれません

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わたしの人生がうまくいかないのは 
すべてわたしの責任であって
だから 誰かのせいにするなんて 
お門違いにも甚だしいことなのです

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わたしの存在が あなたを不幸にしていたのですね
あなたがそんなにも苦しんでいたこと 
気がつかなくってすみませんでした

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いくら現実から逃げたって 
逃げた先だって結局は現実でしかない 
現実から逃げることなんて 
土台無理な話なわけさ

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具合が悪すぎて何も出来ないのも 
あれよあれよとひとが離れていくのも 
なぜかいっつも軽くぞんざいに扱われるのも 
お金がないのも 
全部ぜんぶ 因果応報なのかもしれない

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人生なんて所詮 産まれて死ぬまでの 
長い長い暇つぶしでしかないのだから 
今更ムキになったって仕方がないよ

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自由詩 わたしはどこにも席がない Copyright 涙(ルイ) 2024-09-27 09:27:38
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