秋、しずかさにほひ
ひだかたけし

さはやかな気の揺らぎに深緑の匂いの混じり
空遠く奥まる雲の集積が吹き流されてゆく

 宙から天へ、天から地へ
  貫入し続ける力の
   たゆまぬ時の破壊、
  灼熱の季節を衰微させ
 冷涼の季節の成長を導き

秋の涼やかアスファルトにふと立ち止まり佇む人
しずかさにほひ吹き流され崩れる雲間の青さ深み 、
   
さっき真っ赤な彼岸花見たよと愛娘の声生き生きと
街並み遥かの空から響くを聴いたような気がして







自由詩 秋、しずかさにほひ Copyright ひだかたけし 2024-09-23 18:06:17
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