海辺にて
ヒロセマコト

天国も地獄も信じてはいないが
死んだらやはりどこかに行きたい
煙になって消えるだけでは
あまりにもさみしいから

海の見えるところに行きたい
サーフィンにも水上バイクにも
磯釣りにも興味がない
ただ美しい海がそこにあればそれでいい

潮騒に混じって
高くそびえるワシントニアパームの
囁くような葉擦れの音を聞きたい

のどかな声で鳴きながら
ゆっくりと空に輪を描くトビ
そこから私が見えるかい

はるか高みからの眺め
大きな翼に
ちっぽけな私の魂を乗せて

ふと振り返ると
先に旅立った愛犬たちが
後を追いかけてくる

一緒に行こう
波打ち際で遊んだ
あの海辺に

私はまた
ここに帰ってきたんだ


自由詩 海辺にて Copyright ヒロセマコト 2024-09-13 01:34:03
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