「淋しさとは」
形代 律



淋しさとは
消えゆく炎の眩しさです と先日聞いた
ひとの言葉を思い出す

七輪で
ひとり肉片を炙っている

網のすき間から
火が時にやわらかく伸びるのを見ているが
すぐに消える
「消えゆく炎の眩しさ」

淋しさが 眩しさの消失点にあるのなら
わたしは寂しくないのだろうね
暗いだけの家路

宇宙では
惑星が流れ星を見ている

結ばれず
すれ違う
木星と土星のしずかな目礼


自由詩 「淋しさとは」 Copyright 形代 律 2024-08-28 23:29:38
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