午後4時
山人
張り裂けた夏の青空の向こうから
ミンミンゼミの声がしている
エアコンの水滴が窓の外側に滴り落ちて
きっと外はまだ暑い
小さな町の病院の診察室で
まるで終わりの始まりのような説明を受けていた
何かが始まって終わる
終わったのだろうか、と思うことがはじまった
だけのこと
携帯からふと流れる
意味の分からないバラッドが
したたか胸を刺す
眉間が重くなって
濾過された無念さが
哀しみの液体を垂らした
午後4時
日が短くなっていた
私はそして
終わりの始まりを知ることとなり
行き場を失った心を放牧しながら
流れる時間の水平線を眺めていた