完備 ver.2

カーテンあけて世界に接続する
わたしの内燃機関
26℃の冷房
うす青い朝を映す窓は
精巧なディスプレイか、鏡か
夏の桜並木
二車線道路を過ぎる車はまばらで

幾世代も巻き戻す夏、
セミの鳴く
うす青い街を歩き
ギラギラの自販機
まだ150円だった
コーラで流し込むマイスリーは
ゆるやかに巡り
やうやうしろくなりゆく山際を眺めた

幾世代も早送りする夏
ベランダで
線香花火をする女
そこはこちら側か、あちら側か
確かめようと窓をあければ
部屋に夏が混ざる


自由詩Copyright 完備 ver.2 2024-08-15 10:20:28
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