炎帝
ゆめ

まだこの心の中には何もなくて
本当に与えられるべきだった
大事なことを何も知らない

私が見るものの全てを否定するから
あなたは新しく世界を造って

生きていけなかった命たちのために

まだ名前を付けられていない花に
とっくに忘れ去られた名前の墓

相反するものが同時に成り立つ毎日

泥こそ美しい苗床だと言う人
青空こそ素晴らしい楽園だと言う人

それぞれが手を取り合えますよう

ぱん、ぱん、と手を叩いて願う
あるいは手を組んで約束する

利用できる道具は利用されたいのだ

まだこの心の中には何もなくて
本当に与えられるべきだった
大事なことを何も知らないまま

お前は目さえ見えないと言うのなら
あなたの服を掴んでも歩いていく

お前は耳さえ聞こえないと言うのなら
あなたのその冷たい手と手に触れる

遠い昔に人の描いた地図などいらない
キャンバスに絵の具をぶちまけるように

間違いようのない道を選ぼう
夢でも現実でもない今日を

あなたがいなくなったとしても
わたしがいなくなったとしても

生きよう


自由詩 炎帝 Copyright ゆめ 2024-08-14 20:20:40
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