炎帝
ゆめ
まだこの心の中には何もなくて
本当に与えられるべきだった
大事なことを何も知らない
私が見るものの全てを否定するから
あなたは新しく世界を造って
生きていけなかった命たちのために
まだ名前を付けられていない花に
とっくに忘れ去られた名前の墓
相反するものが同時に成り立つ毎日
泥こそ美しい苗床だと言う人
青空こそ素晴らしい楽園だと言う人
それぞれが手を取り合えますよう
ぱん、ぱん、と手を叩いて願う
あるいは手を組んで約束する
利用できる道具は利用されたいのだ
まだこの心の中には何もなくて
本当に与えられるべきだった
大事なことを何も知らないまま
お前は目さえ見えないと言うのなら
あなたの服を掴んでも歩いていく
お前は耳さえ聞こえないと言うのなら
あなたのその冷たい手と手に触れる
遠い昔に人の描いた地図などいらない
キャンバスに絵の具をぶちまけるように
間違いようのない道を選ぼう
夢でも現実でもない今日を
あなたがいなくなったとしても
わたしがいなくなったとしても
生きよう