このかどをまがったら
そらの珊瑚

朝、のどの違和感で目覚める
よるじゅう、26度に設定した冷房のせいだろうか
そうだとしてもそれを選んだ自分の失敗だ
イソジンでうがいする
その赤褐色の液体の色はどこか禍々しくて
さらに薬品特有のまずい味とにおい
今はそれが頼もしく感じる
今日も35度を越える危険な1日になるというけれど、驚きはない
地球はどこへむかっているんだろう
庭の鉢植えに水をやらなくてはと思うけれど、身体は重たい
思考もどんよりしてる
フローリングの板の切れ目の線をたどる
それはリビングいっぱいに、むやみやたらに広がったあみだくじの世界
砂浜に木切れでかいたあの夏のあみだくじはとっくに波に消されてしまって
だれが当たりを引いたのか、或いは負けだったのか、思い出せない
たどる
たどらせられてる
生きているかぎり
冷房の温度を手動で上げたり下げたりして
このかどをまがったら、
犬が待っていてくれたらいいな
早く水をあげなくては
もうなにもかもがほろんでしまうまえに。


自由詩 このかどをまがったら Copyright そらの珊瑚 2024-07-30 10:06:01
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