空白
唐草フウ
白い紙の上にこぼれてにじんだ
わたしのかなしみ、
あなたのりんかく
揺れながら
つめたく細い流木のような腕を
にぎりしめたときを
かみしめる
揺れながら
幼子が ヒーローの名前を連呼する
ぐずりながら
きょうを迎えたこと
あなたはどう思っているだろう
すっかり時間が経ってしまったようで
白い紙の上のにじみは
かわくことなく
どんなにどんなに書いても書いても
このきもちは凝縮されない
されないままでいるだろう
ふやけた白い紙がきちんと折られるまで
どこまでも終わらない
わたしの空白、
あなたの旅