クローラー
由比良 倖
八つ当たりした結果の私です
ですから食べ物を前に出されると
俄然死を主張するのも私です
。
あなたの悪夢を食べるほどのいい人間に
なって青いガラス瓶になったくだけやすい、
私を日当たりのいい場所に置いてください
殺されるのは珍しいことじゃないし
。
私の頭の中には飛行場はないし
瓶に入った人々が道の両脇に続いて消えていく
夢のような光景に私はとても眠いです
。
薬が作られる工場は虹色にぴかぴかと
その庭の人工芝の上にパラソルを拡げて
エレキギターを弾いています。空には、
羽を広げられる程度のスペースがあります
。