低体温症候群
コマキ

そこいら中に溢れる言葉が
私の角を削り取っていくよ
奔流に晒された丸い石ころ
転がる石はロックじゃない

貴方に言いたかったことは
いつだってのどの奥に蟠る
何時から貴方と私の距離は
薄紙を隔てた曇り空のなか

正直に生き何の得がある?
そんな厭世を思うでもなく
唯ゝ低層を漂いたいのです
生きる事の熱さが耐え難い

今の私を生かしているのは
綿密なカモフラージュです
欺瞞が大嫌いな幼い貴方に
厭われた瞬間に世界は終る


自由詩 低体温症候群 Copyright コマキ 2005-05-20 10:53:05
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