ampoule
痛
悲しみの標高から流出する髄液が、僕らの生存に張りつめる息の根を凍らせて
震える心臓に突き刺さったまま永遠に溶けることのない雪片に、遠い川面の光を映す
その川の澄んだ上流へ、追想の支流を統合する遠い感情の始原へ
君の胸部を収めたX線写真に写り込んだ数羽の鳥を道連れにする
「真空では星の光は目に見えないのですね」
大丈夫、泣いてはいない、ただ少しだけ
少しだけ、雪の
音
(
ネ
)
に光りを聞きたがえる心が懐かしくなっただけです
自由詩
ampoule
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痛
2024-06-10 23:07:18
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