夜の鍵音
atsuchan69
揺れる楕円がことばを塞ぐ
甘い香りと露出した果皮が目前に迫り、
獰猛な括れと若い膨らみが
荒い呼吸とともに 静寂を犯した
仮面を剥いだ匂いを指がなぞる
然も危険な場所を呼び覚ますように
夜の鍵音が 微かに聴こえる
閉じてしまえば、二度と戻れない
狂おしさに髪は乱れ、
濡れた唇と唇が互いの想いを奪った
赦しはない、安らぎもない
夜の果てに転がるふたり
平穏の住まう幼さが閉じてしまえば
見つめあう瞳に、今だけがある
自由詩
夜の鍵音
Copyright
atsuchan69
2024-06-08 06:56:11
縦