拗ね拗ね団──いつかレインボーマンと
ただのみきや

拾い集める
眼が餌を
点々坦々と
大きなボウルいっぱい
ぼくらは集められ
味つけされる
小さな脳みそいっぱい
ぼくらは戦う
ぼくらは不発弾
遊びで傷つけ合って
言い逃れが得意
ぼくらは許せない
不完全な保護者を
国家を
目には見えない
孔雀を飼って
展開する
七色正義
不発弾は転がる
奇声を上げる
苦界のよどみに石を投げ
静寂に水を差す
ぼくらは群生する
風になびいて一斉に裏返る
毛虫をまとい
白痴化する
語呂よく展開させる
正義の寄り合い所帯
なにも救わず
なにも倒さず
トイレに流せ
詩人のように
ぼくらは被害者だから
罵る権利がパタパタ暴れ
ぼくらは弱いから
攻撃する権利が傾いた床を転がって
始めから信管を抜かれていた
ぼくらは末成りの不発弾
淫らな隠語を書き込まれた
ヒリヒリする裸に
人に見えない御免状だけを纏う
誇りは恥部に
羞恥は蝶に
群れろレロレロ
真似ろネロネロ
チキンフライド
蛮飲蛮食
安寿と厨子王
フロイトユング
寝る子を起せ
安全に守り誘導してもらう
ぼくらは権利の塊
転がる魂いれものだけの
囀れ囀れ
ひとつ舌になって
ねじれろレロレロ
ゆだねろネロネロ
欲望のdance
瞑ったまま世界を俯瞰する
ぼくらは不発弾
今にも始まりそうで
始まっていたはずの
黄ばんだ地図の上
熱狂の昼と
水槽の夜の
点いたり消えたりするpassionの
ホトトギス
反対! 反対!
好きだ! きみが大好きだ!
ごめん
   さよなら
       ヨクデキマシタ


                 (2024年6月2日)










自由詩 拗ね拗ね団──いつかレインボーマンと Copyright ただのみきや 2024-06-02 12:48:31
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