303.com

迷っている気持ちは よく分かる
迷うのは もう 気持ちが決まっているから
誰かに 間違っていると 言われたい

引き返していい 進む理由なんてない
泥で出来た船に乗せられ 川は海に通じていて
お父さんと お母さんに 流された

それでも 暗やみの底に 時折差す光が
たとえ 生まれついての暗やみに 慣れた目が
潰れる程の 差す光が 届いたとして

誰のことも 恨まなくていい
憎まなくていい 泣かなくていい 怒らなくていい
ただ ちょっと 溜め息を吐くだけで いい

どうしてもっと 人を 愛してこなかったんだろう
どうしてもっと 人を 許せなかったんだろう
どうしてもっと 人を 好きにならなかったんだろう

そうしたらもっと 君を 愛せたかもしれない
そうしたらもっと 君を 許せたかもしれない
そうしたらもっと 君を 好きになったかもしれない

何も見えなくなっても
凍えるような冬がやってきても
何も学ばずに死んでも

別に 構わないんだなんて 言わないこと
仏壇に 供える ポテトチップスの銘柄を 教えたりしないこと
人を遺しておいて まだ 生きているように 正しさを 説かないこと

スーサイド なんて かっこつけなくていい
自殺って 冷たく 突き放さなくていい
自死という 尊厳のために 全てを捨てなくていい

いつか 日が暮れたことに 気が付く日まで
いつか 崖から飛び降りるように 羽搏く日まで
いつか 午睡から目覚めるように 涙が込み上げてくる日まで

誰かの記憶で いつか永遠に 咲いたままの 花になる日が来る
それまでに あなたが
決めればいい あなただけの あなたの 心を


自由詩Copyright 303.com 2024-04-16 18:41:13
notebook Home 戻る  過去 未来