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ガードレールに咲いた濃紫の菫に
バス停に咲いたタマスダレに
双子のたんぽぽに
補強された斜面に咲く
ハナニラやイヌフグリやナズナたちに
詩を読む

朝詩を書くのは本当は苦手なんだ
美しい遺書が出来上がる
でも構わない
いつだって遺書を書いている君だもの
笑ってくれるよ
死にたがっていることぐらい
自分より先に死ぬな、と本気で憎まれたっていい

醜い花なんてこの世にはない
醜い人間なんてこの世にはない
醜い神なんてこの世にはない
醜い争いなんてこの世にはない
醜い化け物なんてこの世にはない
醜い愛なんてこの世にはない
たぶん
与えられたいんじゃないんだ

目に映るものは
詩の想い
耳に聞こえるものは
詩の韻律
触れるものは
詩の形
食べるものは
詩の色
風が必要なんだ
堰き止められた流れが叫んでる

もう少しだけ近づきたい
君が見たものに
触れてみたい
感じたことに頷いてみたい
それだけさ
まるで大気を読もうとするように
大袈裟なことだけど
君が好きだ




自由詩Copyright 303.com 2024-04-16 06:50:36
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