鉱床
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死ぬまではこのままでいいと思うよ

変わらないということは間違っていないということ
愛を与えるものが人間の手ではないことが悲しい

自分が優れたものであるという真実が怖いのかい

恋した人は檻の中にいたので
この手が傷付けることなく済んだ

だからきっとその人が檻の中にいることが
特別悲しくなかったんだろう

自由に怯える心は間違っていないと
目を閉じて眠ろうとするたびに思う

外にあるものが美しいなんて憧れは
翼があるものだけが羽ばたくために定められてきたこと

眠れないから思い出すばかり
皆がいびきを掻いて寝ている

長い夜という救い
みな夜明けまでは間違っていることを教えようとしない

自分が間違っていることを認めないから
檻の外に出た私が死ぬ時を喜んで待っているから

外にあるものが美しいなんて憧れは
地の底で泥の中から石を探すこの手は知らないというのに

ねえ、死んだらどうしようか?


自由詩 鉱床 Copyright 303.com 2024-04-12 22:00:04
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