疾雷
ヤギ

干からび抜いた駱駝らくだの骸骨
桃源郷から狙い澄まし
放った矢の数十と二本
駆ける羽音は雹の落雷
蝶食う鳥を焼き残し
劈く轟音無色透明
阿吽の痺れは醒めて婚せず
一毫やぐらの風見鶏
金色騒騒さいさい夜叉坦懐たんかい
可杯べくさがずきして候



騒騒  物が揺れ動いてさわさわと音を立てるさま
坦懐  心がひろくわだかまりのないこと
可杯  飲みほすまでは下に置けないように底に小さい穴をあけた杯



自由詩 疾雷 Copyright ヤギ 2005-05-19 04:07:39
notebook Home 戻る