世界で一番ポコチンが小さい男
花形新次

この日を境に
もう元のようには
戻れないのではないか
と思ったことがある
阪神淡路大震災がそうだし
地下鉄サリン事件がそうだった
東日本大震災もそうだし
コロナ騒動もだ
その度に僕は
世界の終わりの予兆のようなものを感じ
片方では恐怖に怯えながら
片方ではすべてが混沌の中に埋没して
終末へと向かうのではないか
と期待していた
しかしそんな期待とは裏腹に
世界はあっという間に
元の姿を取り戻し
変わりのない日常が始まった
(もちろん多くのものを失い
決して元通りに戻ることが出来ない人が
沢山いることは知っているけれど)
僕はいつでも迷子のように
取り残されて
彷徨い続けている
自分で自分の人生を断ち切れない
僕がいけないだけなんだけれど






自由詩 世界で一番ポコチンが小さい男 Copyright 花形新次 2024-03-30 19:12:39
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