好き。
秋葉竹


  

基本は
焼酎が好きかな。

心を
《焼》くために
なぁんて。

酒、やめて。
あ、いいかた、よくない?
アルコール、いただく嗜みを絶って。

おい縋る
アイツの秋波はなんとか無視して。

生き、生きて来たよ?

うそみたいな、ホントがあって。

もう、何ヶ月も経ったころ
その彼女が理由でやめた
アルコールの
最後の一缶を
冷蔵庫の奥の奥で
みつけた。

うっそ、だろ?

もう、
いまはもう彼女、
この部屋には
いないんだけどね。

うっそ、だろ?
って、
なるよねー?

で。

桃の味のやつ。

で。

その缶チューハイを、
わたしは
どうしたでしょう?

はい、
ここで問題です。
(えっ?
どうしたでしょう?
が問題ちゃうん?)

知らん、知らん。
知らんがな、そんな些細なこと。

はい、
ここで大問題です。

大問題、って、
なんでしょう?

ヒント。

基本は
心を焼くから
焼酎が好きだったって

か・こ

過去は現在、
現在は未来、
未来は永遠、
永遠は一瞬、

って。

なんのはなしやねんッ!

大問題は、
やさしい彼女を
怒らせた罪。

いやそれよりも、
悲しませた、罪。
ゴメンと謝る
声など聴かない
耳を塞いだ彼女の絶望。




悲しみの
夜の夜中に降る雪の
こころに積もる痛いささくれ。









自由詩 好き。 Copyright 秋葉竹 2024-03-26 20:00:42
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