やわらかにも
アラガイs

                                

                                             かろやかに私の肌を包み込む羽毛よ
  すっ ぽりつぶれる顔を覆い隠してもその鼻息はつめたい
                    かたい  なかゆびの先でいまをもみ消して あの指先の悶えはいまでもフロアンによみがえる
     わたしの膝元で眠るメインクゥンの紗々     あの毛の手触りは毛布に包まれて眠る幼子のわたし
   
 思いがけなく旅先の窓から見つめた黒い鴉と 戯れるキタキツネの  真綿に白い雪が跳ねてちらちらとてもまぶしかった    
                                          つめたい外気に照らされてあたたかな手のひら
                           トリフォーの柔らかい肌に思春期を奪われる    ナタリーが突き放す透明な視線 女の胸のかたち 太い鉛筆の線
                       ギターを手にしたのは腰のくびれがあるから  しなやかにくねる左指の先に       寝室の窓くすり指ほど開けてしまえば                  
                 ゆめまわし                        
                                         誘われるほどに夜風を抱き寄せる
                
                          


自由詩 やわらかにも Copyright アラガイs 2024-03-19 22:40:59
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