レタス
印あかり
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。
レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけこころに暗いゆとりをくれる。
痛みを堪えて、押し広げて、
何かを探して。
見つからないものは存在しないものだと、
決めつけるに価する何かが見つかるまで。
歯を立てる。むかつきながら。
飲み込む。諦めながら。
ねずみ色の朝と戦うために。
ドブ臭い夜に溺れないために。
それは、何のために……?
自由詩
レタス
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印あかり
2024-03-19 17:55:59