ルート
凍湖(とおこ)

口を開こうとしてやめ
口を開こうとしてやめ
そのうち億劫になってごろ寝をする

現実が早すぎる
明日も生きるはずだった人たちの時間が断ち切られ
まともな水も食料もない

そんな日々が続いてるときに
植物のようにいるのはむずかしい

地球はまるいから
つながっているのに
つなげていない
時間の
関心の
断裂のなかで
言葉はさびしい

それでもあなたの前に
ときおりあらわれる異物として
NO WARと言う

のーうぉーと
遠吠えのように叫べば
重なる声があり
あなたとわたしの根につながる

その水を吸い上げて
照りはえる緑に染まる


自由詩 ルート Copyright 凍湖(とおこ) 2024-03-02 14:38:49
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