冬の蝶
ひだかたけし

黄金の鱗粉、散らし
遠去かっていく
冬の投影に踊りながら
意識の視界に
明るむ場所が在るのなら
きっと君にも観えるだろう

 黄金の唸りが
 黄金の感触が
 黄金の蠢きが
 永久なる黄金の生成が

鋼の船艇部隊が迫る頃、

諦念と待望の狭間に
黄金の鱗粉、散らし
深い深い森の漆黒に
確かな輝き痕跡刻み
飛び立ち遠去かっていく

遠い遠い未知の途筋、
盛り上がらせ
明晰判明な旋律に躍らせ、

  鋼の船艇部隊迫る冬の投影に

 全ての思い出の残像を担い抱え込み

近付く春の息吹きを響かせ蹴散らし






自由詩 冬の蝶 Copyright ひだかたけし 2024-02-25 19:42:55
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