お粥
アラガイs


詩らしきものを書こうとするとつい指先が躓いてしまう
あたまのなかで指先を動かせばそうじゃないよと笑ってしまうものもある
誰かの詩らしき言葉の綴りを読んでは逆立ちのふりをしている自分がいる
    届きそうもない頂点につま先を開けば 
バッタリと背中側から反っくり返る    
                何度も何度もくり返し

白紙の真ん中に黒い文字を埋め込むのは強烈すぎる
こうして何かを起こそうと書いているだけでも胸の動悸は激しく波をうつ
記憶と記憶の隙間には味気ない腹の虫たちが潜んでいて
   仰向きになれば盲点を催促する
ひらがなから数字が立ち上がり
               何度も何度も邪魔をくり返す

玩具をいじれば黒い粒のきみと出合った携帯の内側
                         どろどろの忍耐とお湯の魔法
    舌よりも忘れられないのは声先のきみ
うす塩 冬にはこじれてかたまる手鍋の焦げ目
                          お粥





自由詩 お粥 Copyright アラガイs 2024-02-25 19:12:11
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