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あなたの泥の中に眠っている
掌に乗るような種の話をしましょう
神の国を夢見たひとびとが
スイレンを大事に育ててきたように

あなたの声を聞きながら
いつつの子供のように眠っている
それは丸くなった私の体です
然れども哀れを誘うのは卑怯なのです

あなたが治めるには
この国は小さすぎると非難されて
王位を追われた子供のように
それは宿を失くしたたましいです

どこで生まれたのかすら分からない
異形のものを愛するとしても
誰も彼を恐れようとはしませんでした
今夜の私のように

壊れかけた心を何度でも
覚めない夢で覆い尽くしてください
いつか分かってしまう嘘だとしてもいい
全てを知る暇もないように

目を逸らせないことが
雪のように積もっていく思い出です
これも何やら冷えた花びらのような
たったひとつのお願いです

考えたこともない夢を見ながら
微笑んで眠らせてください
私は死んでみたいのです
あなたに咲いた花に埋もれて


自由詩Copyright 303.com 2024-02-07 19:50:32
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