そら─Q
室町
サイコロをふるようにころがされた
そらに
潮騒の音が聞こえた
逆さまになった母船の上に
大きな海の玉が青く光っている
あそこで起きていること
それは
もう見えない
美しく光る大きな玉がこの暗黒を
照らしている
静かな世界があるだけだ
でも 幻聴じゃない
たしかに潮騒の音が聞こえたのだ
その音で目を覚ましたI am....
我....わ、た、し...Qは
灼熱と氷結を繰り返すこの地で
いつか
あなたがわたしを
拾い上げる日を待つている
転がったり
這いつくばったり
跳んだりしながら、いつまでも
あなたのいるうつくしい大地へ
送信する
見渡すかぎり
モノとモノだけの地平で
この目が見たものを
(月面探査機SLIMピンポイント着陸へのオマージュ)