夜はやさし
ryinx



すぎさるものいとし
いつものみちよるべなく
てのうちいれた指の
すぎるもの零れぬよう
はかりにかけるちのこえ
わすれてに仕舞う
いちぢくのみの爪さき
海のうちおちてくみ
ゆうどきおしながされる
流砂に埋もれゆくとき
はかりに架かるときのい、
香炉にたかれ朽ちたとて
低空の尾につれて掛かる
糸のように鳴ければ
調べの履いたくつの
固形のおとたかく
もみじのて切れば
電球の秋つり糸に暮れて
あいにゆく小枝に振れるこごえ
神経のかかる火に杭うつつに
つてのないみちみないくらがり
それとなく町あるく明くる日まで
やさしひとのこえふりほどいて
ひとなみうつてを
みしらぬものの身を案じず
独楽のまわる座椅子に

(2024/2/2)




自由詩 夜はやさし Copyright ryinx 2024-02-02 03:18:27
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