雨神
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ここでずっと
花が咲くのを待っている
小さな神様でありたい
霧のような明るい雨が
柔らかい芽にしたたる
その明るさは血と同じ
うつくしいもの
いつかも人間であった
小さな神様は
はにかんで笑う
神様の歌は風の気まぐれ
踏みしだかれた憎しみを
そっと胸に抱き寄せて
目の前の神様が見えず
神様、と叫びながら
群衆に沈んでいく心に
小さな神様が
黙って
涙する時
花が咲き
土が見えない程の
うっそうとした愛が繁る
遺髪を切るはさみで
夜を束ねる
その神の名を朝という
花が咲き誇るたびに
春だと嬉しそうに
したたる雨を口に含む