対岸まで
そらの珊瑚

誰かに教わったわけでもなく
ひれもないのに
泳ぐ術を知っていた
不思議
暗闇の水は透明なはずなのに
烏賊墨いろ
触れる
包まれる
抱きしめられる
身ひとつだけの
図式
へその緒が取れて
どこへ行こうと自由だから
孤独
息を継ぐ
時に溺れながら
強靭な肺が欲しい
大丈夫、息を吐く時に継ぐのよ
(だれの声だろう)
果てしなくはない
果てはある
遠い
対岸まで
だれも待っていなくても





自由詩 対岸まで Copyright そらの珊瑚 2024-01-22 20:29:02
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