リインカネーション
リリー


 七回忌を過ぎた夜
 寝入る微睡に
 だれかの 手が触れてきて
 髪を撫でるのです

 幼い頃 してもらった様な
 手のひらの温もりは貴女なのだ 
 と 気付き

 うっすら 消えゆく気配を
 追いかけようとしても
 サラサラした粒子に
 躯は埋もれ
 
 目醒めれば 遺されし者のいくじなさ

 忘れ得ぬ たった一度きりの
 あれが、きっと
 肉 滅びて在る魂の
 新たな旅立ちであったのだろうと憶うのです。
 


自由詩 リインカネーション Copyright リリー 2024-01-21 12:57:26
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