夜明け前
ミナト 螢

二本足で立っている間は人間だった
それなのに
うまくいかない事ばかり

ひざまづき頭を下げていたら
動物みたいに丸くなって
今いる場所を温めてるだけ

誰も触りに来なくても
体温があるから
その上に言葉を置いてって

光に繋がれた希望のように
笑顔の輪郭を描きたい

人を信じることを
ずっと怖いと思っていたけど

話せるうちに話したかった
泣けるうちに泣きたかった

色んな気持ちが混ざり合うと
宝石のようには光らない

夜に爪を立てて
剥がれたものが
一番星より近くにある
寂しさを飾る


自由詩 夜明け前 Copyright ミナト 螢 2024-01-08 18:35:34
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