五行歌 不吉な夢
レタス

紅色の月は重くうな
不穏な気配を空に満たしていた
逃げようとしても足どりは重く
赤銅色の光に照らされて
背中の地図が焼かれてゆく


公園のブランコが揺れている
誰もいないのに
子守歌声が何処からか聞こえてきた
誰もいないのに
其処で固まって逃れられなかった


透明な人魂の群れがぼくを絞めつけた
ぼくは仏壇に祈りを捧げ
扉が刹那にパッ! と開いて光明が走り
人魂の群れは窓から逃げていった
朝になり弟が母に人魂の話しをした




自由詩 五行歌 不吉な夢 Copyright レタス 2024-01-07 22:18:58
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