深酒
リリー
テイクアウトのピザを
たらふく食べ
飲みすぎた赤ワイン
炬燵で寝落ちし
ふと目覚める 耳の底の音だけしかない
深夜
空ビン洗って
ベランダの収納ボックスへ入れる音、
黒つるばみの 夜気に沈んで
ささいな悩みや焦立ちに疲れて
知らずに 十二月は
ひとりぼっちが似合うと身にまとい
冷やかに笑う
居直りのふてぶてしさ
それでも一晩眠れば
休日の朝
石油ストーブ炊くにおい
軽い二日酔い
あちらこちら 心さまよい
テーブルに頬杖ついて眺めるマーガレットと
遠い国に旅をする
「何て私は、可愛い人間だろう。」