澎湃
リリー

 四国に続く山脈に
 雪が積り
 社の石段に降る雨に
 心を洗った後

 醜く見える貴方の顔

 その薄い唇に
 私の唇触れた事が嫌悪を誘ったとしても
 私の責任ではない

 何処かの居酒屋で
 貴方が 以前にもまして暗い目をして
 酒をのんでいても
 知った事ではない

 グラスの氷にゆれるウイスキー

  舳先にティンカーベルをのせて
  琥珀の海を
  白金の帆、はためかせるヨットが進む
  ほんの時折
  ティンカーベルは思い出した様に鈴を鳴らす
  やきもちをやくのか
  私が一人で
  陽の果てる地点に没しようとするのに

 私が貴方を捨てて
 恋を捨てた感情の高まりは
 やがて 私自身を狂わせてしまうかもしれない



自由詩 澎湃 Copyright リリー 2023-12-23 10:48:04
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