げんざいちてん。
あらい

                    大海を眺める男女が つつがなく
                  史環シワに さすらいまどう しゅんかん
      あなたのテンには鏡、草原にソラ、
   わたしたちは手放せない、浮き草にある





    「フラットアースの見頃は喪に朔、朝露 だろうよ」

     あら いやだ。裏切るばかりの てのひらこそ、
     ひろげても 人違いでも、パントマイムで大船に乗る
     あちらの灯台に夕日を投函する わずか残る島の影ごと殺して
           フラスコの底に 燃え滓だけの肺が孵化していく

          あれは今日 立ち込めている 観測気球

       死はのこらずに 生をいたわる と 大人しく、まぎれる
     みなれないだけの 絡みつくひとひと を 結んでいる
  
   (そちらは 透明なさかさまに あせらずに しろいあか です。)





                      行き 白く、どう歩こうかと
                    思案し続けている、砂地の足跡
                      もう、ひあたりのよいにおい
                 お庭にて、埋め尽したは、終始の旅愁



       ね。 ――わすれものは うみのにおいがするでしょう



あなたの蒼いとびら なんとなくは 
きみらの樹の入りぐち おそらくは
わたし、または――ぼくら さなぎなぐ。
                    みながみな 見ず知らずのまま
                       ねむり また、屠り去れ、

         数歩ずつ あたり 眺めては、きおくから奪い取れ 
         輝らされる影も壁も 時間 いやみ 黒々と延し
         病み くらい。街灯こそ 自我 を とおすのだから





               わたし は
             硝子 で できて 居た
              そとの ホオ から、
             ねだられて 要る のか。
              くもり ぞら から
                薄荷 の かおり、





        だいぶ。数段上る ぐあいが いい。雑音

       (昼から――夜景を見るてつきが、すてきだ。)

       未来を持ちきれないファーストピアスの、あと





すごく薄墨の書き損じです ジプシーは、        端にしがみつく、
たくらみに淫蕩で            やけに大きく キク 小糠雨、
魔法の書は楽観 収穫として。              このときはなく
また遺伝子は不在にして柔らかな房        ゼンマイしている緊張
生クリームを白桃、角砂糖。粗目雪、           ではなくて
だらしなさ 蒸し暑い 山の神が     あるドローイングの実感こそ
圧して、照らして。眺める。         かわるところは 首を振り。
気がついたら。            構想、リトグラフ(石版画)の幅 
磊落に球根、しとど踊りや                 薄薄、揺れ、
底蓋をあけたら。         崩壊したフローライト(蛍石)の星景




天壌の シンボル、は 既知に処す
           〈ぎゃっこうに せいきが しいているようでした)



わたしらの季節はきっと               
   透明な水の膜で、               にぶいぶれのなか、
       まだ生きているのかなあ、    肩を寄せ抱き合って
           手探りではわからないから
              なばたけを走ってはこわし、
                        だっぷりと未知を埋め
                    どの列車も膨らんだ地面にいた。
             並べては外して
シャク波悶ハモンと       しゃがみ込むと 
    金鵄きんしをのばした、      獣道をそれて
       蚯蚓に乗る)




逃げ出す前にあざやかな蝶が羽ばたいて ゐってしまった
                   「そう ころしてしまった ゆめ」


 (主にいない ハイのミソラに、なにもかも えがいて いやがる。)





ことばをうしない、または そむき、
いしのさむさを、おさえ ききわけもない
海霧カイムに あたって、ねむりにおちる

          「ああ、あかり。かならず、かならず かえりたいの」
     (あるいはクモのムネを。わたしのいと、わたしが くすしくも)


自由詩 げんざいちてん。 Copyright あらい 2023-12-22 22:22:31
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