さきっぽに もうすぐに
あらい

減らず口を残らず
てのひらで見送るよう 
ちっとも
塡める。想像の先。灰の
色 涼しくもない

さきっぽに もうすぐに
うまれては、きえるもの

なにも腐った頭がちょっとも
まわらないから
肢体のふりして、躰を起こしてやって

と無味無臭で考えている

雪中に、しばう小径になる 筆に、にじいろのみずたま
鬼灯に吹出つ、手に 手を添えて、透かし硝子の手垢に

おもわず に あゆむものだがら
ぬくもりをきざむ ろ過する まほうだよ

――拭く。ゆび、ゆびのまた、瑕と木枯茶を画き
時が滞り引き返せない途が耳垂れをみとめ
鼻先を続く針で敷石の細道をおり、熬ったりして

吹き架けた てひら、
朱の内に平に、暁を、点き、山吹と、

短夜を挟み、
濃淡の大地がだくだくと潤う
月暈ゲツウンから 
〈内腑/の、ち/脈〉 
逃げるように ただ 近づきたい


自由詩 さきっぽに もうすぐに Copyright あらい 2023-12-15 18:50:33
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