戦争
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君の指が
僕の傷跡を辿っていく
どうやって
生き延びたの、と聞くので
愛したんだよ
出来る限り、
と答える

戦争に勝ち負けはない

陽の光を浴びない
洞窟の奥の
いっぴきのイモリみたいに
孤独で
冷たい
何も知らない君
外では生きられない

少し物足りないくらいの体

何かの為に生きることは
自分の身を守ることだった
牙をむき出しにして唸る
図体のでかい化け物が
差別と偏見を免れるためには
信じてもらうしかない

ここは神の庭
何を美しいと思うかは自由

たとえ君が雄で
僕が雌で
卑劣な関係で
誰も愛を証明できなくても
別にいいじゃないか
今は
傍に居るんだから

比喩的に
僕の方が器が大きい
嘘だと思うなら
試してみればいい
負ける気がしない
口説くのなんて
挨拶代わりだよ
そんな世界だった
夢すら見られない

愛している

好きにしていいよ
どうせ出来ない
コンビニスイーツと
インスタントコーヒーで
理解できるような
孤独しか知らないんだろ
愛してあげる
後悔すればいい

僕を信じて


自由詩 戦争 Copyright 303.com 2023-12-15 06:43:32
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